東芝メディカル、キャノンに売却
不適切会計で問題になり業績が悪化している東芝は、医療機器子会社「東芝メディカルシステムズ」をキヤノンに売却する方針を決めました。
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売却額は7000億円超の見通し
東芝はキヤノンに独占交渉権を与えて18日までの最終合意を目指し、売却額は7000億円超となる見通し。
売却先としては富士フイルムホールディングスも有力視されていたが、事業の重複が少なく、独占禁止法審査等も円滑に進められることにより、売却資金を早く得られると判断しキャノンに決定した模様です。
キャノンのメインターゲットは遺伝子 診断用試薬から装置の製品化も
キャノンの事業のメインターゲットは遺伝子。2016年をめどに、遺伝子診断用試薬の販売開始診断装置の製品化も視野に入れる。まず試薬を製品化した狙いについて、医療事業を統括するキヤノンバイオメディカルは「ようやく世に出始めた分野で、まだ遺伝子をどう使うか模索している段階。顧客のニーズを聞きながら、じっくり装置の事業化を進める」と説明しています。
もともと光学・精密技術メーカーは医療機器との関連性が高く、古くからカメラメーカー各社が参入しています。
たとえば内視鏡やX線画像診断システムは代表的な製品ではコニカミノルタ、富士フイルム、オリンパスが代表的です。(最近ではソニーやニコンも同分野を強化している。)
けっこうチャレンジャーなキャノン
意外と堅実な会社のイメージが強いキャノンも以前はパソコン、表面電界ディスプレー(SED)テレビ、光磁気ディスク―。どれも赤字になり撤退をしている歴史もあります。
医療機器分野に関しては70年以上前から手がけ、今もX線デジタル撮影装置や眼底カメラを販売しています。が、これらは従来のカメラ技術の延長線上の製品。
これから伸ばそうとする遺伝子分野は、生化学や医療材料、電子機器など光学以外の領域も組み合わせ市場となるので本当の意味での新規事業ですが、当たればでかいですね。
ロボット関連にも参入。内視鏡・補助具で
キヤノンは医療用ロボット分野の参入に向けた検討も始めています。5年以内に、ロボット技術を搭載した器具の製品化を目指す。
2016年から直径0・6ミリメートルのマイクロ内視鏡や、治療や検査に使う針を臓器に高精度に刺すための補助システムなどを相次いで製品化し医療事業領域を拡大し売上高1,000億の引き上げを狙う。