ゆうちょの200兆円が溶けていく
今現在、銀行は預かった小口の預金を集めて将来性のある事業に投資したり、企業や個人に貸しすことが本来の銀行の業務です。
昨年11月、上場を果たした日本郵政グループの金融部門であるゆうちょ銀行の運用資金は約200兆円ですが、そのうち4割を国債で運用しており、ゆうちょ銀行の収益の柱は国債の運用です。
ただ近年マイナス金利の影響でもともと低かった国債の利回りも期待できなく、借り手側も大口が減ってきているのが現状です。国債の利回りは期待できないし、融資をしようにも借り手が少ないとなれば、結局、銀行はATM等の手数料で稼ぐしかなくなり、その手数料も最近の手数料システムを考えればあきらかにマイナスの状態にあるかと思われます。
家庭用金庫の導入が盛ん
日銀のマイナス金利導入の影響でで、家庭用金庫の販売が盛んになっています。預金金利が下がり、現金を家庭で保管しよう、マイナンバーによって、将来預金に課税されると言う心配もあり、ホームセンターでは金利引き下げで前年比60%も売れ行きが増加しているとのこと。
ゆうちょ銀行の方向転換のリスク
柱である国債があてにならない、手数料はたががしれている。となればゆうちょは株式や不動産ファンドなどを運用することで収益を上げられる態勢を作ろうと試みます
これまでは「絶対安全」ばかりを重視してきた官営銀行にとっては、180度の方向転換ですよね。ろくな投資や融資経験がないので、当然ながら株式運用のための人材やノウハウが圧倒的に他銀よりありません。
GSなど外資系投資銀行から人材を引き抜いていますが、実質はいまだ『素人』が大半です。
また今年4月、ゆうちょ銀行は、預金の最大枠を1000万円から1300万円に引き上げます。「とはいえ国が管理している元郵便局の銀行。絶対につぶれないだろう」と考える人たちが一時的に預金を積み増す可能性も高いです。
ゆうちょ側は有効な運用先もなく、慣れないやり方で株式や不動産を買い始める。そこへリーマンショックのような世界規模のクラッシュが起きたとしたら・・・こわいですよね。